境界標がなくなったときはどうする?境界トラブルを防ぐためのポイント

境界標がなくなったときはどうする?境界トラブルを防ぐためのポイント

土地を所有していると、「境界標(きょうかいひょう)」が見当たらない、あるいはなくなってしまった、という状況に出くわすことがあります。

「境界標がないと売買や建築ができないの?」
「勝手に新しい境界標を入れていいの?」

そんな疑問を持たれる方も多いと思います。
今回は、境界標が見つからないときにどうすべきかを、土地家屋調査士がわかりやすく解説します。

1. 境界標とは?

境界標とは、自分の土地と隣の土地との境界を示す目印のことです。
一般的には以下のようなものがあります。

  • コンクリート杭
  • 金属標(真鍮やステンレス製のプレート)
  • プラスチック杭
  • 石杭

これらは法務局の登記簿や地積測量図、または過去の立会い記録に基づいて設置されるもので、土地の権利関係を明確にする重要な役割を持っています。

2. 境界標がなくなる原因

境界標が見つからない背景には、次のようなケースがあります。

  • 建物工事や外構工事の際に撤去されてしまった
  • 長年の風化や地盤沈下で埋もれてしまった
  • 道路工事など公共工事で移動された
  • 故意または過失で破損・紛失した

いずれにせよ、「境界標がない=境界が消えた」わけではありません。境界は法律上必ず存在しているものです。

3. 境界標が見つからないときの対処法

① 資料を確認する

まずは自宅や不動産会社に残っている資料を確認しましょう。

  • 土地購入時の測量図
  • 建築確認申請の図面
  • 法務局の地積測量図や公図

これらの図面が手がかりになります。

 

② 隣地の方と情報を共有する

境界標がない場合でも、隣地所有者と協力して確認を進めることが大切です。
一方的に「ここが境界だ」と決めてしまうと、境界トラブルの原因になりかねません。

 

③ 土地家屋調査士に依頼する

境界標が見つからないとき、最も安心なのは土地家屋調査士に相談することです。

土地家屋調査士は、以下のような調査を行います。

  • 公図や地積測量図の取得
  • 現地での測量調査
  • 隣地所有者との立会い調整
  • 境界標の復元・設置

必要に応じて、境界確定測量図を作成し、将来の売買や相続に備えることもできます。

 

4. 法律的な注意点

  • 境界は「筆界(ひっかい)」と呼ばれ、不動産登記法に基づき法務局に記録されています
  • 自分の判断だけで境界標を設置しても、法律上の効力はありません。必ず隣地所有者の立会い、または合意が必要です。
  • 境界標を故意に動かしたり破壊したりする行為は、刑法上の器物損壊罪に問われる可能性もあります。

5. まとめ

  • 境界標は土地の権利を守る重要な目印。なくなっても境界そのものは消えない
  • まずは資料を確認し、隣地所有者と話し合いを
  • 専門的な判断が必要な場合は、土地家屋調査士に依頼するのが安心

境界標が見つからないまま放置すると、売買や相続、建築工事の際に大きなトラブルになる可能性があります。
「境界標がない」と感じたら、早めに専門家へご相談ください。

土地家屋調査士法人 BASE ONE(旧 ハヤシ登記測量事務所)

本社:〒603-8838 京都府京都市北区大宮田尻町9番地4
支社:〒603-8826 京都市北区西賀茂坊ノ後町19-2 ハウゼ西賀茂105号室
営業時間:平日 9:00~18:00(定休日:土日祝)
TEL:075-494-5135
FAX:075-494-5130

 

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